機能解剖学【下半身】
この記事ではトレーナーの機能解剖学で扱う下半身を動かす筋肉について解説していきます。ぜひトレーナーの方は運動指導の参考に、記事を見たトレーニーの方は自分のトレーニングの参考にしてください。
下半身を動かす筋肉一覧
臀部
大臀筋

起始 ①仙骨・尾骨の外側縁 ②腸骨翼の殿筋面
停止 ①大腿骨の殿筋粗面(下部) ②大殿筋膜の外側部で腸脛靭帯に映る(上部)
主な働き
股関節の伸展(全体)、外旋(全体)、外転(上部)、内転(下部)
単一筋で一番大きい筋肉。股関節の伸展で主働筋として働く。拮抗筋は腸腰筋。
生活動作(ADL)
・歩く ・階段を登る ・正座した状態から立ち上がる
スポーツ動作
・ランニングやジャンプ ・坂道ダッシュ ・陸上競技の幅跳びや高跳びなど
トレーニング
・スクワット ・デッドリフト ・ヒップエクステンション
中殿筋

起始 腸骨翼の殿筋面、腸骨稜の外唇、殿筋筋膜
停止 大腿骨大転子の劣端と外側面
主な働き
股関節の外転(全体)、屈曲(補助)、内旋(前部)、外旋(後部)
大殿筋の上部に位置し、大部分を大殿筋に覆われている。股関節外転の主働筋。
片足時に骨盤が落ちないように維持する役割もある。
生活動作(ADL)
・横に足を出す、歩く ・直立の時に骨盤を支える
スポーツ動作
・バスケのサイドステップ ・アイスホッケーの横歩き ・クロスカントリーの横歩き
トレーニング
・ブルガリアンスクワット ・ヒップアダクション
太腿後ろ
大腿二頭筋

起始 坐骨結節(長頭)、大腿骨粗面の外側唇下方1/2(短頭)
停止 緋骨頭
主な働き
股関節の伸展(長頭のみ)、膝関節の屈曲(両方)
ハムストリングスの中で一番外側に位置。長頭は股関節伸展のみ作用する。
屈曲時に下腿を外旋させることで効率よく鍛えることができる。
生活動作(ADL)
・股関節の安定性を保ち、膝を曲げたり外旋させたりする ・歩行時に体幹が前方に曲がるのを防ぐ
スポーツ動作
・走行時の着地動作 ・ラグビーのスクラム
トレーニング
・ライイングレッグカール ・デッドリフト ・ランジ ・ヒップエクステンション ・ヒップリフト
半腱様筋・半膜様筋

起始 坐骨結節
停止 脛骨粗面の内側(半腱)、脛骨内側顆(半膜)
主な働き
股関節の伸展、膝関節の屈曲(屈曲時に下腿を内旋)
半腱様筋、半膜様筋はハムストリングスの中で内側に位置。
ハムストリングスの筋群は全て二関節筋。(短頭は除く)
生活動作(ADL)
・あぐらや正座から立ち上がる ・歩行時に体幹が前方に曲がるのを防ぐ ・直立時下腿を内旋させる
スポーツ動作
・走行時の着地動作 ・走行時に体幹が前方に曲がるのを防ぐ
トレーニング
・ライイングレッグカール ・デッドリフト ・ランジ ・ヒップエクステンション ・ヒップリフト
股関節屈筋群
大腰筋(腸腰筋①)

起始 T12〜L4までの椎体および椎間円板、全腰椎の肋骨突起
停止 大腿骨小転子(大腿骨内側)
主な働き
股関節の屈曲、外旋、わずかに外転、脊椎の安定に貢献
腸骨筋、小腰筋とともに股関節深層の腸腰筋を構成。股関節屈曲筋の中で一番強力。
歩行や姿勢維持に重要。
腸腰筋の総体積は小さいから毎日筋トレしてもOK。
生活動作(ADL)
・歩行、走行時足を持ち上げる ・姿勢を維持する ・階段を上がる
スポーツ動作
・格闘技のキック動作 ・ランニング、ジャンプ動作 ・サッカーボールを蹴る動作
トレーニング
・ニーレイズ ・ライイングレッグレイズ ・レッグレイズクランチ ・インクラインベンチシットアップ
腸骨筋(腸腰筋②)

起始 腸骨内面の腸骨窩
停止 大腿骨小転子(大腿骨内側)
主な働き
股関節の屈曲、外旋
腸腰筋の中で一番深層に位置。屈曲の主働筋。大腰筋と同じ作用。
歩行や姿勢維持に重要。
生活動作(ADL)
・歩行、走行時足を持ち上げる ・姿勢を維持する ・階段を上がる
スポーツ動作
・格闘技のキック動作 ・ランニング、ジャンプ動作 ・サッカーボールを蹴る動作
トレーニング
・ニーレイズ ・ライイングレッグレイズ ・レッグレイズクランチ ・インクラインベンチシットアップ
小腰筋(腸腰筋③)

起始 T12〜L1の椎体外側面
停止 腸恥隆起と付近の筋膜
主な働き
股関節の屈曲
もともと大腰筋からの分束で、約半数の人にしか存在しない特殊な筋。
屈曲の動作に作用するが、貢献度は小さい。
生活動作(ADL)
・歩行、走行時足を持ち上げる ・姿勢を維持する ・階段を上がる
スポーツ動作
・格闘技のキック動作 ・ランニング、ジャンプ動作 ・サッカーボールを蹴る動作
トレーニング
・ニーレイズ ・ライイングレッグレイズ ・レッグレイズクランチ ・インクラインベンチシットアップ
太腿前
大腿四頭筋

起始 腸骨の下前腸骨棘(大腿直筋)
大腿骨粗線内側唇(内側広筋)
大腿骨上部前面(中間広筋)
大腿骨粗線外側(外側広筋)
停止 脛骨粗面
主な働き
股関節の屈曲(大腿直筋)、膝関節の伸展
大腿直筋は二関節筋。人体の中で一番大きい筋肉。膝下が前方に振られる動きにブレーキをかける役割もある。
伸展時、膝関節外旋位で内側広筋、内旋位で外側広筋の貢献度が大きくなる。
生活動作(ADL)
・正座した状態から立ち上がる ・歩行、走行時に膝を伸ばす ・階段を上がる
スポーツ動作
・あらゆるスポーツの下肢動作 ・歩く、走る、跳ぶ、蹴るなどで主要な働きをする
トレーニング
・スクワット ・ランジ ・レッグプレス ・レッグエクステンション ・レッグレイズ(大腿直筋)
縫工筋

起始 上前腸骨棘
停止 脛骨内側面上部
主な働き
股関節の屈曲、外転、外旋、膝関節の屈曲、内旋
大腿前面の一番前に付いている二関節筋。
鵞足(縫工筋、薄筋、半腱様筋)を構成する三つの筋肉の一つ。
人体の中で一番長い筋。
生活動作(ADL)
・あぐらをかく ・乗馬で馬から降りる ・オートバイなどから降りる
スポーツ動作
・歩行時や走行時に大腿直筋と協調し、膝を伸展させる ・バレエの足の動作
トレーニング
・ヒップアブダクション ・レッグレイズ ・ニーレイズ(膝屈曲位、股関節外旋位でやや内にあげる)
股関節内転筋群
大内転筋

起始 坐骨結節
停止 大腿骨粗線の内側唇、内側上顆
主な働き
股関節の内転、内旋、屈曲、伸展
内旋位から内転させると全体に効く。
後部は伸展位で内転させると効きやすい。前部は屈曲位。
大内転筋は筋体積が大胸筋と同じくらいあるから内転筋は二日に一回の目安でトレーニングする。
生活動作(ADL)
・歩行時に骨盤を安定させる
スポーツ動作
・平泳ぎのキック動作
トレーニング
・ワイドスクワット ・ヒップアダクション ・マシンヒップアダクション
長内転筋

起始 恥骨結節(長)、恥骨下枝(短)
停止 大腿骨後面中央、大腿骨粗線の内側唇上部1/3(短)
主な働き
股関節の内転、内旋、外旋(短)
長内転筋と短内転筋は同じ作用。大内転筋の前側に位置。
生活動作(ADL)
・大腿を引きつけて閉じる動作で働き、腰の回転に影響する。
スポーツ動作
・足を交差させるステップや横への移動に働く。
トレーニング
・ワイドスクワット ・ヒップアダクション ・マシンヒップアダクション
薄筋

起始 恥骨結合の外側
停止 脛骨の内側面
主な働き
股関節の内転、屈曲、膝関節の屈曲、下腿の内旋
内転筋唯一の二関節筋。
生活動作(ADL)
・正座をする ・真っ直ぐな線の上を歩く ・足を交差させる
スポーツ動作
・サッカーのサイドキック ・ハードルのまたぎ動作 ・乗馬で足を挟む動作
トレーニング
・ワイドスクワット ・ヒップアダクション ・マシンヒップアダクション ・ニーレイズ(膝屈曲位で)
恥骨筋

起始 恥骨上枝
停止 大腿骨後面
主な働き
股関節の内転、屈曲
生活動作(ADL)
・腰を回転させる ・真っ直ぐな線の上を歩く ・歩幅を最大にして歩く
スポーツ動作
・サッカーのキック動作 ・ダッシュ ・乗馬で足を挟む動作
トレーニング
・ワイドスクワット ・ヒップアダクション ・マシンヒップアダクション ・ニーレイズ
下腿
腓腹筋

起始 ①大腿骨の外足上顆(外側頭) ②大腿骨の内側上顆(内側頭)
停止 踵骨隆起(停止腱はアキレス腱)
主な働き
膝関節の屈曲、足関節の底屈
底屈の主働筋で二関節筋。足がつるのはヒラメ筋と腓腹筋が痙攣しているから。
ヒラメ筋とともに下腿三頭筋を構成。
生活動作(ADL)
・ジャンプ動作 ・つま先立ちになる
スポーツ動作
・スケート競技のスタート時の蹴り ・あらゆるスポーツのジャンプ動作 ・陸上競技の短距離走
トレーニング
・縄跳び ・シーテッドカーフレイズ ・カーフレイズ
ヒラメ筋

起始 腓骨頭、腓骨と脛骨の間のヒラメ筋腱弓
停止 踵骨隆起(停止腱はアキレス腱)
主な働き
足関節の底屈
下腿三頭筋の一つで単関節筋。
ふくらはぎのヒラメ筋のみを鍛える時は膝屈曲位でシーテッドカーフレイズを行う。
生活動作(ADL)
・姿勢維持や長時間の起立で働く ・つま先だちになる
スポーツ動作
・歩行や走行が含まれるスポーツ ・ジャンプ動作 ・競歩やマラソン
トレーニング
・シーテッドカーフレイズ ・カーフレイズ
前脛骨筋

起始 脛骨の外側面
停止 内側楔状骨、第一中足骨底
主な働き
足関節の背屈、内反
背屈の主働筋。足首が腱になっている。
この筋が麻痺すると尖足(足首が伸びてつま先が下を向いたまま戻らなくなる状態)になる。
ガニ股で歩く人、ヒールを履く人、早歩きの人、安全靴を履いている人は疲労が溜まりやすいが
疲労していることに気づきにくい筋肉でもる。
生活動作(ADL)
・歩行時につま先を地面に擦らないように持ち上げる
スポーツ動作
・歩行や走行が含まれるスポーツ ・サイクリングのペダル上昇時
トレーニング
・トゥーレイズ(つま先上げ運動) ・足首を背屈で行うレッグエクステンション
長腓骨筋

起始 腓骨頭
停止 内側楔状骨
主な働き
足関節の底屈、外反
外反の主働筋。お互い作用は同じ。
生活動作(ADL)
・砂浜を歩く ・つま先だちになる ・自転車のペダルを踏み込む
スポーツ動作
・歩行や走行が含まれるスポーツ ・サッカーのドリブル ・ハイキングやクロスカントリー
トレーニング
・シーテッドカーフレイズ ・カーフレイズ
長趾伸筋

起始 脛骨外側顆
停止 第2〜5趾の末節骨
主な働き
足関節の背屈、外反、第2〜5趾伸展
長趾伸筋は背屈と底屈のバランスをとるために重要な筋。背屈と外反が主な役割。
触診は前脛骨筋があるため困難。
生活動作(ADL)
・階段などでつま先が段差を越えるときに働く
スポーツ動作
・競歩で足をあげる ・ハイキング
トレーニング
・トゥーレイズ(つま先上げ運動)

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